山塊(奥多摩偏)①

山塊
大ダワ林道からの山塊

【逡巡】

 昨年末に引き続き、奥多摩の山塊調査へ出かけた。今回は尾根から懸垂下降をして隣の沢へ降り立つ事を想定し、クライミング道具(ハーネス、ロープ、下降機、カラビナやスリングなど)をザックに。また、もう一つ重要な道具としてチェーンスパイクも持参した。

 出発前日の想定はこうである。大ダワ林道から富田新道・唐松谷方面へ進み、唐松橋~七ツ石分岐で小雲取山方面へ。尾根に入ったあたりで反対側の大雲取谷へ下降する。地図(国土地理院1/25,000)上、標高1414地点で北方面の尾根沿いに大雲取谷へ下降していくのが理想だ。間違っても標高1150付近の土崖部(崩壊部)では下降してはいけない。前回の調査時は七ツ石分岐まで到達していないので、まずは分岐から標高1414付近まで行き、そこから一般登山道を外れ大雲取谷へ降りる。その先は成り行きとし、下降路を登り返して下山とする。

 大きな懸念点が三つ。先ず、落ち葉が多い時期(フカフカな絨毯となる)なので、急斜面で滑落の危険がある事。次に、懸垂下降はクライミングの技術として経験済だが、登り返しはほぼ経験なし、下降後に登り返しの必要がある事。最後に、現場での行動時間(多めにみて2~3時間程度だろう)が短いため、余裕をもって行動が出来ない事である。一つ目の落ち葉対策はスパイクシューズで対処できると思い、正月に実家に戻った際、押し入れから以前購入して未使用のスパイクシューズを持ち帰っていた。mountaindaxの四本爪で、いまさらながら調べるとなかなかの良品らしい。10年前に富士山へ行った際、あると良いものの一つとして購入していたものだが、結果未使用だった。装着方法は説明書を読めば大丈夫だろう。二つ目の登り返し対策もカラビナ、スリングで簡易仕様ではあるが、この辺はセルフレスキュー系の書籍を諸々読んだので(写メもした)対処可能だろう。三つ目が一番厄介である。始発電車(実際は始発の次)にのって奥多摩駅着が07:46。東日原バス停行きのバスが08:35発⇒09:02着となる。東日原バス停から富田新道の登山口まで徒歩約2時間(八丁橋まで約1時間ほど)、そこから七ツ石分岐まで約20分…等々、バス停から現場まででも約3時間弱を要する。もちろん帰りのバスの時間制限もあり(延いては帰宅の時間制限もあり、こちらの方が重要であったりもする。)、東日原バス停16:22発⇒奥多摩駅16:49着のバスに乗り、奥多摩駅17:10発の電車に乗って19:30頃、漸く帰宅となる。つまりは、家を出発し富田新道登山口までの移動時間:約6時間、現場での行動時間:約2時間半、富田新道登山口から帰宅までの移動時間:約6時間となる。行動時間に制限(約2時間半)があり、かつ往復約12時間の移動時間(そのうち往復4時間は林道歩き)である。

 コスパがとても悪く、若干逡巡する出発前夜であった。 

伊勢橋付近の日原川

山行詳細(備忘録)

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