
【これぞ私の尾根歩き】

07:46 JR青梅線御嶽駅に到着、天気は快晴。週末から好天が続く予報であったため、月曜は有給休暇を取っていた。いつもと同じ始発の次の電車に乗って出発したが、平日の為か電車内は意外と混みあっていた。その後、青梅線に乗り換えても殆どの乗客が登山をする容姿ではなく、御嶽駅で下車した登山者はざっと10人程度であった。平日だと大体こんな感じなのだろうか、駅を出たところにある公衆便所が長蛇の列にならず、手短に出発の準備が出来て助かるところであるが。
今回は御嶽駅から惣岳山(756M)、馬仏山(723M)、岩茸石山(793M)、そのまま北上し黒山(842.3M)、棒ノ折山(969M)まで縦走して河又(埼玉)方面へ下山する「関東ふれあいの道」というコースを辿る。ただし棒ノ折山から先の岩茸石分岐で白谷沢登山口方面へ行かず、直進して尾根沿いの登山道で入間川まで下山した。

道中の岩茸石山は昨年1月に息子と高水三山を縦走した際に登っており、個人的にはとても良い縦走路(子連れ心者と歩くのに最適なコース)であったが、岩茸石山から御嶽駅へ向かうときは既に昼を過ぎていたため日陰が多くなり、少し寒々とした尾根沿いの登山道という記憶があった。しかし今回は御嶽駅から出発したため、一つ目の鉄塔(多摩川第三線NO.5)を過ぎた412M地点の尾根辺りからは、燦々と陽光が降り注いでいた。前日に確認した天気予報では最低気温‐5℃であったはずであるが、実際は風も感じること無く、陽当たり良好、ポカポカ陽気のなか明瞭な尾根歩きが続いた。

これはつまり、軍畑駅から高水三山周回コースを辿っていくと、高水山から東南へ延びる尾根に上がるまで沢沿いを歩く為、午前中は日陰が多い。そして岩茸石山を経由して御嶽駅までの尾根沿いに出るころには陽が落ち始めるため、やはり日陰が多くなるということだろう。すなわち、高水三山周回コースは御嶽駅から登り始め、軍畑駅へ降りていくのがベストであると思える(もちろん尾根歩きの為、風が出てしまうとその通りにならないことは注意が必要である)。そして緩やかな尾根伝いの登山道はとても歩きやすく、惣岳山、馬仏山を通過し岩茸石山まで約二時間半(途中小休止10分ほど)で到着した。一年ぶりに訪れる岩茸石山山頂は見晴らしがとても良く、この後進む黒山山稜~棒ノ折山もはるか向こうに一望できる。

今日の目的地はまだ先だ。
岩茸石山を北方面へ降りて行くとすぐに残雪が現れた為、念のためチェーンスパイクを装着したが物の50mほどで雪は無くなった。そのあとは再び緩やかなアップダウンの尾根歩きが続き、一時間強で逆川ノ丸という開けた陽当たりの良い休憩場に到着した。こんなに素晴らしい広場が出てくるならばここで休憩したいところであったが、黒山までもう少しであること、またこの少し手前で小休止をしてしまっていたので、ここは休まずに先へ進むことにした。その直ぐ先の境界尾根コースとぶつかる場所(ピーク)が黒山である。

途中、緩やかに大きく広がる広場的な尾根があり、そこを抜ける際に登山道を外した。確かに踏み跡はあるのだが徐々に不明瞭になっていく。それはどうやら獣道のようで、その後斜面に消えてなくなった。なだらかに開けた尾根の脇を平行に進んでいたため、そのまま尾根まで直上すると約10mほどで明瞭な登山道へ出た。

程なくして黒山に到着、(立派な三角点に道標あり)ここを左折(北方面)し権次入峠(こんじりとうげ)へ出る。権次入峠は陽が当たらないのだろう、雪がしっかりと残っていた。棒ノ折山は権次入峠から15分ほど登ったところだが、山頂直下の木の根が浮き出る急斜面は歩き難くはあるものの残雪は殆どなく、無事に棒ノ折山に到着した(岩茸石山より約二時間、コースタイムはまずまずであった)。

山頂は平坦地で広く開けており、木道から東屋まで整備されている。ここで昼食休憩をするには最適な場所である。また棒ノ折山(棒ノ嶺)は標高969mあり、付近の山塊の中では一番高い山であるため、眺望も申し分ない。遥か向こうには筑波山や男体山、女峰山まで一望できる。
ほかの登山者と混じって、私も山頂標識で記念撮影をすませ、軽く昼食を摂ってから最終目的地である「さわらびの湯」を目指して下山を開始した。

一旦、権次入峠まで戻り、分岐を河又方面へ進んで行く。暫く急な登山道を降っていくと岩茸石の分岐(といっても、河又コースは岩茸石の脇をすり抜けていく程度の細い道である)にでるので、そのまま直進して河又コース(尾根沿いの登山道)で降って行った。小一時間ほどで舗装された林道にぶつかり、また尾根沿いの登山道に入る事を三回繰り返し権次入峠から約一時間半で入間川の登山口(お墓の脇)まで降りてきた。河又コースは結構な段差の斜面が続き、降りに通る場合はそれまでの行動時間も考慮すると、膝にかなりの負担が掛かかるので要注意である。かくいう私も、あと少しで温泉に浸かれるというご褒美的なモチベーションのおかげで、何とか頑張って下山したようなものであった。
【総括】
今回は朝8:00御嶽駅を出発、岩茸石山10:30、黒山に12:00、棒ノ折山12:30、下山14:20、行動時間約6時間20分 距離約13㎞(登り1396/降り1387m 累計)の行動(休憩時間約一時間弱)となった。実際コースを歩いてみて感じたのは、岩茸石山までの前半コースは陽当たりがとてもよく、また緩やかな尾根歩きが楽しめる好登山道であるという事。そして岩茸石山以降の後半戦も要所に展望ポイントや休憩のスペースが設けられていて、歩いていて飽きないコースという事である。特に休憩スペースは丸太のベンチなど設備も整っており、しっかりと場所を確認しておけばノンビリ休憩も楽しめるだろう。また気になる点(注意点)としては、御嶽駅からの登りの坂道、最後の権次入峠以降の降りの坂道においては特に段差が大きく、成人男性でも足腰(膝など)に結構な負担(負荷)が掛かる恐れがある事である。整備された丸太の階段はことごとく土部分が流されており、スカスカな骨組み状態であるため何れの方向から登り始めるにしても、特に下山時においては足元に注意を払い、転倒・転落防止に努めて頂きたい。今回、当初は子供(小学2年)とこのコースを歩こうかと計画していたが、正直連れてこなくて正解であると思った。もちろん、御嶽駅から岩茸石山までの縦走路は問題なく楽しめるのはまちがいないのだが、棒ノ折山までのコースは、もう少し子供の背が伸びたらの楽しみにしておこうと思う。

さわらびの湯では露天風呂でノンビリと登山の疲れを存分に癒し、地のクラフトビールを頂いて一日の労をねぎらった。
【山行詳細】(備忘録)
- 関東ふれあいの道(首都圏自然歩道)は、関東地方、一都六県((東京・埼玉・群馬・栃木・茨城・千葉・神奈川)をぐるりと一周する長距離自然歩道です。平成22年度に栃木県コースの整備が完了したことで、総延長1,803km、全160コースになりました。東京都八王子の梅の木平が起終点となっています。
東京都コースは、高尾から奥多摩までの延べ約74.4km、7コースが整備されています。美しい自然を楽しむばかりでなく、田園風景、歴史や文化遺産に触れ合うことができる道です。(東京都環境局 東京の自然公園より)
東京都環境局 東京の自然公園
- さわらびの湯(名栗の森に佇む⽇帰り天然温泉)
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